「ジーンズの手入れってよく洗っちゃいけないって話を聞く」
「ジーンズ特有の色味が洗濯をすることで落ちてしまう」
確かに、ジーンズを洗濯すれば、そのジーンズがもつ特有の色味や雰囲気を損ねかねないと危惧される方もいるでしょう。
しかし、履き続けたジーンズには、必ずあなたのニオイや汗が移っていて、周りの人から冷ややかな目で見られます。ましてや、それらが原因で生地そのものを老化させてしまうこともあります。
【今回の記事でわかる内容】
- ジーンズの正しい洗い方
- ジーンズの洗濯で気を付けること
- ジーンズの洗濯頻度
- ジーンズの洗濯で気になる「色落ち」を防ぐ方法
- ジーンズの洗濯で色合いをよりオシャレにする方法
今回は、ジーンズの正しい洗濯方法についてご紹介していきます。
一般ジーンズから特殊加工が施されたジーンズの洗濯方法まですべて解説していきます。
ジーンズ生地の特徴
ジーンズの洗濯を解説していく前に、ジーンズ生地の特徴と洗濯をしていくにあたって注意すべき5つを解説していきます。
糊付けして製造されている
まず「ジーンズ」は、製造の過程で裁断・縫製を安定させるために「生地に糊付け」を行って製造して世に出回っています。
着用する際はこの「製造の過程でつけられた糊落とす」必要があります。
もし「糊を落とさず」着用した場合は、着用にできるシワや折り目がハッキリとした形でできてしまいます。
つまり、最初の洗濯で「糊を落とす」ことができれば、ジーンズは長持ちするほか、ヴィンテージものと同じような色合いを生み出すことができると言ってもいいでしょう。
ジーンズは「洗わない方がいい」は間違い
「ジーンズは洗わない方がいい」という考え方は、アンティークジーンズやオールドジーンズに分類されるものに当てられたものです。その考え方が今では一般ジーンズにも当てられるようにもなりました。
しかし、この考え方は大きな間違いです。
前述のことを踏まえて言うと、ジーンズは製造の過程で糊付けされています。この糊を落とさない限り、最初に履いたときにできるシワや折り目が後々の洗濯で色落ちをした時、くっきりとした形で浮かび上がります。
そうなっては「ジーンズ」本来の雰囲気を損ねてしまいます。
色落ちや生地の縮みなど、洗濯すれば起こりあることを危惧されますが、これからご紹介する「洗濯の方法」を行うことで長く履いていられるものとなります。
ジーンズを洗うときの注意点5つ
ここでジーンズの正しい洗濯方法をご紹介するにあたって、注意しておくべきことを5つご紹介します。
1.ボタンとファスナーは閉める
ジーンズを洗濯するときはボタンとファスナーは、必ず留めるようにしましょう。
もしボタンやファスナーを留めずに洗濯した場合、ボタンやファスナー周りの生地が痛むほかファスナーがジーンズそのものを傷つける恐れがあるからです。
2.ジーンズは裏返す
表向きに洗濯をするのもいいですが、洗濯機でジーンズを洗濯した場合、生地同士が擦れ合い一部分が変色したり、色落ちを起こす可能性があります。
これを防ぐためにも、ジーンズは裏返しにして洗濯しましょう。
3.ロールアップ部分は伸ばす
ジーンズにロールアップが施されているものは、一度伸ばしてほこりやゴミがないかを確認しましょう。この部分は特にほこりやゴミがたまりやすい場所でもあります。
また伸ばすことによって、シワや折りたたんでいる部分の色落ちを防ぐことができます。
4.色移りを避けるため、他の衣類とは別で洗う
ジーンズも「色落ち」する衣類になります。
そのため、洗濯する際は色移りを避けるために、ジーンズ単体で洗うようにしましょう。また同系色のジーンズとまとめて洗うか、手洗いで洗濯をするといいでしょう。
5.洗剤は「中性のオシャレ着用」を使用する
ジーンズの色合いや風貌をキープするためにも、洗剤は「中性のオシャレ着用洗剤」を使うようにしましょう。
家庭によっては「弱塩基性の洗剤」を使用しているところもあります。この洗剤を使用した場合、洗浄力が強すぎてジーンズ生地そのものを痛めてしまうことがあります。
そのほか、漂白剤などの合成洗剤の使用も避けましょう。
ジーンズの洗濯方法
ここからは一般のものから特殊加工が施された「ジーンズ」の、正しい洗濯方法について解説していきます。
ジーンズの洗濯方法(糊の落とし方編)
まずは初めてジーンズを着用する際に付いている「糊」を落とす方法からご紹介します。実質はじめての洗濯ともなりますが、着用前に行う通過儀礼のようなものです。
- 下準備
- 温水につける
- 裏返したジーンズを畳んで、温水に浸します
- ジーンズの上において1~3時間ほど温水に浸らせます
- 桶から出して脱水
これをするかしないかで、以降のジーンズの状態が決まると言ってもいいでしょう。
1.下準備
まずはジーンズを裏返します。
その時、ファスナーやボタンの留め忘れにご注意ください。
また購入したばかりで糊付けされたままのジーンズは非常に硬く、裏返しがしにくいです。
裏返したら軽くなでるようにしてシワを伸ばしましょう。
2.洗濯おけor洗濯ボウルに水を張る
次に洗濯おけor洗濯ボウルのどちらか自宅にあるものに、38℃~50℃ほどの温水を適量はります。
3.裏返したジーンズを畳んで温水に浸す
次に裏返したジーンズを畳んで、温水に浸します。
この時ジーンズのポケットや足の部分には空気が入っていることがあるので浮いてきます。
スポンジに水を含ませるように、ジーンズを何度もおけの底に押し付けて全体が浸るまでそれを繰り返しましょう。
4.重しをして1~3時間ほど温水に浸らせる
水泡が出なくなったらバケツなど重しになるものを、ジーンズの上において1~3時間ほど温水に浸らせます。
5.時間になったらファーストウォッシュ
1~3時間ほど時間が経過したらジーンズをおけから取り出しましょう。
これだけジーンズに付いていた糊を落とせますが、まだ残っている可能性がありますので、仕上げとして洗濯機で取り除きます。
この時洗剤は使用せず、洗濯機の洗濯コースは「すすぎ数回+脱水」コースで行いましょう。
これで糊落としの工程は完了です。
以降は「干し」の工程へと行きます。
ジーンズの洗濯方法(洗濯機編)
次に汚れたジーンズを洗濯機で洗うときの正しい方法についてご紹介します。
- 下準備
- 洗濯ネットに入れる
- 選択コース「手洗い」もしくは「ドライコース」で洗う
1.下準備
まずはジーンズを裏返します。
その時、ファスナーやボタンの留め忘れやロールアップ部分の伸ばし忘れにご注意ください。
2.畳んで洗濯ネットに入れる
裏返したジーンズを畳んで、洗濯ネットに入れます。
裏返すことによって多少の色落ちを防ぐだけでなく、他の衣類との擦れ合わせでジーンズ生地そのものを傷めずにすみます。
3.洗濯コース
ジーンズ生地は激しい洗い方をすると、生地そのものを痛めてしまいます。当然裏返していてもそれは起こりえます。なのでここは「手洗いコース」または「ドライコース」で洗濯するようにしましょう。
また使用する洗剤は「中性のオシャレ着用洗剤」を使用しましょう。
そのほかの洗剤、特に「柔軟剤など」の合成洗剤を使用する必要はありません。
ジーンズの洗濯方法(手洗い編)
次に汚れたジーンズを、手洗いするときの正しい方法についてご紹介します。
- 下準備
- 温水ら洗濯用洗剤を入れる
- 裏返したジーンズを畳んで、温水に浸します
- ジーンズを押し洗いする
手洗いは「洗濯機」を使用するよりも、色落ちなどを最小限に防ぐ効果があります。その分手間をかけることとなりますが、生地に負担をかけることなく洗濯できます。
1.下準備
まずはジーンズを裏返します。
その時、ファスナーやボタンの留め忘れやロールアップ部分の伸ばし忘れにご注意ください。
2.洗濯おけor洗濯ボウルに水を張る
次に自宅にある洗濯おけorボウルに「水」を張ります。
汚れや糊を落とす際は「温水」がベストです。
しかし、今回は洗剤も使うということもあり、洗い方によっては色落ちや縮みの原因を作ってしまいます。
水を適量張ったら、「中性のオシャレ着用洗剤」を、洗濯1回分で使用する量だけ入れていきます。
3.洗濯水に15分浸らせる
洗濯水を作ったら、ジーンズを折りたたんでその中に入れていきます。
この時ジーンズ全体が洗濯水に浸るように、何度もおけ底に押し当てていきます。この時水泡が出なくなるまでやるのがポイントです。
水泡が出なくなったら、重しをして15分ほど放置します。
4.押し洗い
15分ほど放置した後は、押し洗いをしていきます。
この時、生地同士を擦り合わせるような洗い方をしてはなりません。特に汚れがある部分にそのような洗い方をしてはなりません。
2~30回ほど押し洗いをしていきます。その後は洗濯水を流して、きれいな水で2,3回すすぎを行って、最後は洗濯機で脱水をしていきます。
型崩れが怖い方は、洗濯ネットに入れてから脱水を行うといいでしょう。
脱水後はすぐに、干しの工程に入ります。
特殊ジーンズの洗濯方法
次は特殊ジーンズの洗濯のやり方をご紹介します。
特殊ジーンズというものは「ダメージジーンズ」や「ホワイトジーンズ」といった特殊加工を施されたジーンズを指します。
ダメージジーンズ
「ダメージジーンズ」を洗濯する際は、必ず「洗濯ネット」に入れて洗濯をするようにしましょう。これをすることでダメージ加工が施された箇所を痛まずにすみます。
またネット1枚に対してジーンズ1枚としましょう。
これを守れば、以降の手順は一般ジーンズと同じ洗い方で問題ありません。
ホワイトジーンズ
「ホワイトジーンズ」は他のジーンズとは異なりオシャレ着用洗剤で洗濯するよりも、「漂白剤」や「蛍光剤」など、洗浄力が強いもので洗うといいでしょう。
以降の洗濯工程は他のジーンズと同じで問題はありません。
また「ホワイトジーンズ」を洗濯するときは、色落ちがしやすいものと一緒に洗濯するのは避けましょう。色移りの原因となり、「ホワイトジーンズ」特有の色味そのものを失います。
洗濯したジーンズの干し方
ここからは「糊落とし」「洗濯機」「手洗い」などの洗い方で洗ったジーンズを干していきます。
- シワを伸ばす
- 裏返しにして陰干しする
- 逆さ、もしくは筒状にして干す
どの洗い方をしたとしても、干すときのやり方はすべて共通しています。
1.形を整えてシワを伸ばす
脱水したてのジーンズを洗濯機から取り出したら、全体のシワを伸ばしていきます。
この時、両手でジーンズをはさんで叩くようにしてシワを伸ばして形を整えていくのがコツです。
またウエストやひざの部分は軽く引っ張って形を整えましょう。
2.裏返した状態で陰干し
全体的にシワを伸ばして形を整えたら、裏返した状態のまま干していきます。
この時注意すべきは、風通しのいい日陰で干すことです。
天日干しの方が「殺菌効果」は高いです。おまけに生地を裏返しているので、生地へのタメージはないものと思われます。
しかし、万が一を考慮して日陰で干すことをおすすめします。
日向に干すのは、ニオイが気になる時だけかつ短時間だけにしましょう。
3.逆さにして干す
脱水をしているとは言え、水分を含んだジーンズには、ズッシリとした重みがあります。
特にウエスト部分が重たくなります。
よって、洗濯による縮み防止のために、足の部分を洗濯ばさみやボトムハンガーで挟み、ウエスト部分を下にして干すことで、縮み防止になります。
ただし、ストレッチが効いているジーンズで逆さ干しをすると反って伸びてしまうのでご注意ください。
4.筒状にして干す
ジーンズを筒状にして干すことで、ジーンズ内部に空気が通って乾きがよくなります。
特に厚手のジーンズほど乾きが遅ければ嫌なニオイが残りやすいです。
洗濯しない時の手入れ方法
最後は洗うまでもない汚れやニオイが気になった場合の手入れの仕方です。
染み抜き
洗濯するまでもない汚れがジーンズについてしまった場合は、一度ジーンズを裏返して、冷水で薄めた洗剤を染み込ませた布で軽く汚れ部分を叩いていきます。
この時、汚れ部分を擦るようにしてはなりません。
洗剤を染み込ませた布で、汚れ部分に軽くたたくことがベストです。
スチームアイロン
ニオイが気になる場合は、アイロンのスチーム機能を用いてニオイを取り除きましょう。
この時、アイロンとジーンズの距離を少し離すと同時に、シワを伸ばしながら形を整えていくと仕上がり良くなります。
陰干し
スチームアイロンをかけるのが手間だと思う方は、ジーンズを裏返しにして日陰で干すといいでしょう。
この時、ジーンズを直茶日光の当たるような場所にさらしてはなりません。当然ながら裏返しにしていてもです。
ジーンズの手入れで気を付けるべきは「色落ち」
ジーンズの洗濯で一番気になるのが「色落ち」です。
洗濯の時、ジーンズを裏返しにして抑えていますが、それでも「色落ち」はしています。
しかし、洗濯の前にあることをすると、「色落ち」を最小限に抑えることができます。
以下はその解説となります。
色落ちを最小限に済ませる方法
【色落ちを最小限するために必要なもの】
- 洗濯おけor洗濯ボウル
- お塩:大さじ1酢:大さじ1
上記3つを用意するだけで、色落ちを最小限に抑えることができます。
洗濯おけに水を張る
手始めに洗濯おけに水を適量張って、その中にジーンズを浸していきます。
この時、ジーンズは表向きのままで構いません。
お酢と塩を大さじ1ずつ入れていく
ジーンズの全体が水に浸かったら、お酢と塩を大さじ1ずつ入れて溶かしていきます。
溶かしきったら、重しをして1時間ほど漬け置きしておきます。
漬け置きが終えたら洗濯
1時間ほど漬け置きをしたら、おけからジーンズを取り出して裏返しにしていきます。
以降は「洗濯機」または「手洗い」いずれかの方法でジーンズを洗濯していきます。
【解説】
- お酢にはアルカリ性洗剤を中和してくれる効果があります。
- 塩にはジーンズ繊維に染料を定着させてくれる効果があります。
- これらの効果があってジーンズの色落ちを防ぐ相乗効果が生まれる。
逆に色落ちをさせてオシャレに自分だけのジーンズにする
前述ではジーンズの色落ちを「最小限」にする方法をご紹介しました。
しかし世の中には「わざと」ジーンズの色を落として自分だけのジーンズに育てる方法があります。それが俗にいう「ダメージジーンズ」というものになります。
ここからは、「自分だけのオリジナルジーンズ」の育て方です。
ジーンズを表に返して洗濯する
ジーンズを洗濯するときは裏返しにして洗濯をしてきました。
それは「色落ち」を防ぐためにしてきました。
しかし、今回は「色を落として自分だけのジーンズを育てる」というのです。そこでやる手は、「ジーンズを表向き」にしたまま洗濯することです。
定期的に洗濯をして、色がどれほど落ちているかを確認しながら行っていきましょう。
漂白剤を使用する
染料染めされた繊維を脱色させる効果がある「漂白剤」を用いることでジーンズの色味そのものを落とすことができます。
使用する際は、どんなデザインにするか決めてから使用するようにしましょう。
また使用する際はブラシや刷毛を使用して色を落としたい箇所にだけ塗ると自分だけのオリジナルジーンズに育て上げることができます。
メラニンスポンジを使用する
「激落ちくん」などのようなメラニンスポンジを使用することでも、ジーンズの色を落とすことができます。
やり方は、新聞紙の上にジーンズをまっすぐ敷いて、スポンジを水で濡らした後、色を落としたい部分を擦るだけです。
ジーンズを長持ちさせるためのポイント
最後にジーンズをずっと長く履けるようにするためのポイントをご紹介していきます。
洗濯の頻度
ジーンズの洗濯頻度は「履くたびに」洗濯するのではなく、ニオイや汚れが気になってきたタイミングで行うのがベストです。
シーズンにもよりますが、月2~3回を目安に洗濯するのがいいでしょう。
洗濯のやりすぎは、色落ちを加速させることに繋がります。
乾燥機はNG
ジーンズを手っ取り早く乾かす方法として「乾燥機」を利用される方がいるでしょう。
しかし、ジーンズを洗濯した後乾燥機に入れるのはNGです。
理由は高温によって生地そのものを縮めてしまったり、生地表面を傷めつけてしまうためです。長く愛用していくならば、日陰で干すのがベストです。
よくある質問
ジーンズの洗濯に関するよくある質問をまとめました
- ジーンズは洗濯機で洗える?
- ジーンズの洗濯頻度は?
- ジーンズのしわの取り方は?
ジーンズは洗濯機で洗える?
A.基本的には洗えます。
ただし、製品によっては手洗いが推奨されていることもあるので注意が必要です。
ジーンズは、裏返して優しく洗濯し、同じく裏返して乾燥させると色落ちや形崩れを防ぐことができますよ。
ジーンズの洗濯頻度は?
A.月に2.3回を目安に洗濯しましょう。
ジーンズは基本的に毎回洗う必要はありません。
汚れやにおいが気になったら洗濯するのが望ましいです。
洗濯のしすぎは色落ちを加速させることに繋がってしまいます。
ジーンズのしわの取り方は?
A.裏返してアイロンをかけるか、シャワーの中で湿気を利用してシワを伸ばす方法があります。
ジーンズは自然な風合いが魅力の一つなので、毎回無理にしわを取る必要はありません。
生地が傷む原因にもなるので、気になるときだけ処置するようにしましょう。
まとめ
以上が、ジーンズの正しい洗濯方法のご紹介でした。
今回の内容をまとめると以下の通りとなります。
- ジーンズのファーストウォッシュは「糊落とし」から
- 洗濯するとは「裏返し」にして「洗濯ネット」に入れる
- 干すときは「日陰」で風通してのいい場所で
- お酢×塩を溶かした水に漬け置きすると「色落ち防止」につながる
- わざと色を落として「オリジナルジーンズ」に育てる
「ジーンズ」はカジュアルなものから、「ダメージジーンズ」や「ホワイトジーンズ」など特殊加工が施されたもの、はたまた高価な「アンティークジーンズ」まで様々な種類のものがあります。
しかし、洗濯の時に取る工程は、どのジーンズをとっても今回ご紹介したやり方で一通り洗濯することができます。
大切な1本だからこそ、これからも長く履いていたいというは、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください。
これまでやってきた洗濯とは違う、格別な仕上がりになるでしょう。