マウスピースは、歯列矯正や歯ぎしりなどの治療に用いられる矯正器具です。
日常的に口に入れるものですが、汚れや臭いが気になる方も多いでしょう。
そこで今回は、マウスピースの汚れや臭いの原因や、洗浄の際の注意点について詳しく説明します。
マウスピースを洗うのに効果的なクリーナーや、家にあるものでクリーナーの代わりに使えるアイテムなどもご紹介します。
- マウスピースの汚れ・臭いの原因
- マウスピースクリーナーの使い方
- マウスピースを洗浄する際の注意点
マウスピースの汚れ・臭いの原因
マウスピースは使用していると汚れや臭いが蓄積し、不快な思いをすることがあります。
まずは原因を知っておくことで、臭いを防ぐ手立てを考えていきましょう。
マウスピースの汚れ・臭いの原因は、主に以下の4つです。
- 食べ物
- コーヒーなど色の濃い飲み物
- タバコ
- 唾液
食べ物
マウスピースを着用して食事をすると、食べかすがマウスピースに付着します。
特に油分や砂糖が多い食べ物は要注意です。
食べかすが残っていると、細菌が繁殖して臭いの原因になりますので、使用後はケアをすることが大切です。
コーヒーなど色の濃い飲み物
色の濃い飲み物もマウスピースの汚れに繋がります。
コーヒーや紅茶、ジュースなどの色の濃い飲み物は、マウスピースに色がついてしまう成分が入っています。
さらに、色の濃い飲み物には糖分や酸味が含まれていることが多く、細菌の繁殖を促進するので注意が必要です。
タバコ
タバコを吸うと、ニコチンやタールなどの成分がマウスピースに付着します。
長時間放置すると、臭いがこびりついてしまう可能性が高いです。
特有の臭いも付着するため、喫煙後はクリーニングが必須です。
さらにニコチンやタールは、マウスピースの臭いの原因になるだけでなく、歯の黄ばみや歯垢の原因にもなるので注意してください。
唾液
唾液は、口の中を清潔に保つ役割を担っています。
しかし、唾液にはタンパク質やミネラルなどの成分が含まれており、マウスピースに長時間付着すると臭いや汚れの原因となります。
特に乾燥させずに保管してしまうと、雑菌の繁殖が進んでしまうため注意が必要です。
使用後は速やかに乾燥させ、定期的にクリーニングを行いましょう。
マウスピースを洗浄せずに放置し続けると起きるトラブル
マウスピースは使用後にきちんと洗浄しないと、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。
具体的なリスクについて、詳しく見ていきましょう。
以下に、洗わずに放置した場合に起こりうる問題をまとめました。
- 口臭の原因になる
- 歯・マウスピースに色が定着してしまう
- マウスピースが歯にフィットしなくなる
- 口角炎を引き起こす
- 虫歯・歯周病になるリスクが高まる
口臭の原因になる
マウスピースを洗浄しないと、表面に食べかすの残り・歯や舌の汚れなどが付着します。
食べかすが残っていると、細菌が繁殖して臭いの原因になってしまうのです。
このため毎日のお手入れを怠ると、口臭が強くなるリスクが高まります。
歯・マウスピースに色が定着してしまう
コーヒーや紅茶、ジュースなどの色の濃い飲み物を飲むと、マウスピースが染まります。
変色したマウスピースを日常的に使うことで、接している歯にも色が移ることがあるのです。
マウスピースだけでなく自分の歯にも影響があることを考えると、色の濃いものを飲んだ場合は特に食後のケアは欠かせません。
マウスピースが歯にフィットしなくなる
洗浄を怠ると、マウスピース自体が歪むことがあります。
その結果、歯にしっかりとフィットしなくなったり、マウスピースの劣化が早くなる可能性が高いです。
フィット感が失われると、歯科矯正の効果も半減してしまいます。
劣化して壊れてしまえば、新しいマウスピースを作る必要があるので余計な出費がかかってしまいます。
口角炎を引き起こす
マウスピースを洗浄せずに放置すると、マウスピースに雑菌が繁殖します。
この雑菌が口に広がって皮膚が炎症を起こし、口角炎の原因になることもあります。
口角炎とは口角が赤く腫れたり、皮が剥がれたりする症状です。
口角炎になると口を開けるのが辛くなったり、食事をするのが辛くなる可能性が高いです。
病院での治療が必要になることもあるため、マウスピースは清潔に保つ必要があります。
虫歯・歯周病になるリスクが高まる
マウスピースの洗浄を怠って、細菌が繁殖しやすい環境ができあがると、虫歯や歯周病の原因にもなります。
虫歯や歯周病になってしまうと痛みで生活に支障が出るだけでなく、治療費もかさむのでデメリットが多いです。
マウスピースのお手入れは、歯磨きと同じように欠かさず行うことが大切になります。
マウスピースクリーナーの正しい使い方
マウスピースを洗う時には、まず以下の道具を揃えましょう。
【使用道具】
- マウスピースクリーナー
- マウスピースが入る容器
- 柔らかい歯ブラシ
- ぬるま湯(40℃)
マウスピースを傷つけないように、歯ブラシはなるべく柔らかいものを使用してください。
また、熱すぎるお湯はマウスピースを変形させる要因となりますので、40℃程度のぬるま湯を使うことをおすすめします。
マウスピースを洗う手順は以下のとおりです。
【マウスピースクリーナーの使い方】
- 容器にぬるま湯を入れ、適量のクリーナーを入れる
- マウスピースを入れ、5分ほど漬け置き
- 歯ブラシで軽くこすり汚れを落とし、30分程度漬け置き
- マウスピースを取り出し、水でよくすすぐ
使用するクリーナーの説明書をよく読み、適切な量を使用してください。
歯ブラシでこする際は、力を入れすぎないようにしましょう。
マウスピースを洗浄する際の注意点
洗浄方法によっては、マウスピースの効果や寿命に大きく影響します。
マウスピースを清潔に保つためには、正しい洗浄方法で洗浄することが大切です。
しかし、知らず知らずのうちに間違った洗い方をしてしまうことも少なくありません。
ここからは、マウスピースを洗浄する際に避けるべきポイントを具体的に解説します。
マウスピースを洗浄する際の注意点は、以下のとおりです。
- 歯磨き粉で洗浄しない
- 煮沸消毒しない
- 使用期限が切れたクリーナーを使用しない
- 濡れたままケースにしまわない
歯磨き粉で洗浄しない
歯磨き粉は歯に使うものですから、一見良さそうに思えますが使用しないでください。
歯磨き粉は研磨剤が含まれており、マウスピースを傷つける可能性があります。
傷部分に汚れや細菌が溜まりやすくなり、臭いの原因になってしまうのです。
そのためマウスピースを洗浄する際には歯磨き粉は使用せず、専用のクリーナーを使いましょう。
煮沸消毒しない
一般的に、煮沸消毒は非常に効果的な消毒方法ですが、マウスピースには向いていません。
高温によってマウスピースの形が歪んだり、素材が劣化する可能性が高いです。
形が変わるとフィット感が損なわれ、矯正などの効果が大きく低下します。
製造メーカーの指示に従い、適切な洗浄方法で洗うことが大切です。
使用期限が切れたクリーナーを使用しない
マウスピースクリーナーには、使用期限があります。
使用期限が切れたマウスピースクリーナーは、消毒能力が低下している場合があります。
その結果十分な洗浄が行えず、口内の健康リスクが高まる可能性があります。
使用期限は必ず確認し、新しいクリーナーを使用するように心掛けましょう。
濡れたままケースにしまわない
マウスピースを洗浄した後、しっかりと乾燥させることが大切です。
濡れた状態でケースにしまうと、カビや細菌が繁殖しやすくなります。
特に密閉されたケースは、細菌の温床となりやすいので注意が必要です。
洗浄後はしっかりと水分を拭き取り、自然に乾燥させた後でケースに収納してください。
マウスピースを綺麗に洗浄できるおすすめのクリーナー「ナチュラルリテーナー洗浄剤」
一口にマウスピースクリーナーといっても、たくさんあって迷います。
そこで、マウスピースを綺麗に洗えるおすすめのクリーナー「ナチュラルリテーナー洗浄剤」について紹介します。
ナチュラルリテーナー洗浄剤の特徴は、以下のとおりです。
- マウスピースを優しく洗える
- 顆粒タイプで量を調整しやすい
- 入れ歯洗浄剤と同じ成分を使用
- 1袋で数ヶ月もつ
- 排水口掃除にも使える
- 口コミ評価が良い
マウスピースを優しく洗える
ナチュラルリテーナー洗浄剤の主な成分は、「過炭酸ナトリウム」です。
界面活性剤や色素、増粘剤や結着剤などが使われていないため、マウスピースを傷つけず優しく洗えます。
過炭酸ナトリウムから発生する過酸化水素により、汚れや臭いをスッキリ落とせます。
シンプルな成分なので、すすぎの時にもヌルつかず簡単に洗い流せます。
顆粒タイプで量を調整しやすい
顆粒タイプなので、スプーンなどですくって取り出します。
洗う時にどんな容器を使っていても、自分で最適な量に調整できるのがメリットです。
入れ歯洗浄剤と同じ成分を使用
ナチュラルリテーナー洗浄剤の成分は、同ブランドの入れ歯洗浄剤と同じです。
金属がついているマウスピースでも安心して使えて、洗浄力もしっかりあるのが嬉しいポイントです。
1袋でたくさん使える
ナチュラルリテーナー洗浄剤は1袋で160g入っています。
1度の使用量は3g程度ですから、毎日使っても1~2ヶ月程度使用できます。
子供用の矯正器具ならさらに長く使えます。
元々の値段がリーズナブルなのに加え、お得なセットもあるため、毎日の生活に取り入れやすいのが魅力です。
排水口掃除にも使える
過炭酸ナトリウムは、マウスピース以外のお掃除にもよく使われる成分です。
たくさん購入しても、排水口などの掃除にも使えたりなど色々な使い道があります。
口コミ評価が良い
ナチュラルリテーナー洗浄剤の口コミをご紹介します。
成分が安全で、量が調整できるのが良いとの口コミが多く見られました。
『マウスピース用に今まで市販の洗浄剤を利用していたのですが、何気なく成分表を見てみたらほぼ危険な物ばかりで驚いてしまい毎日使っていた事にショックを受け慌ててこちらの商品にたどりつきました。毎日使う物だからやはり安心安全が大切だと思います。』
――石けん百貨
『息子の矯正用マウスピースに使用しています。
現在小学一年生でマウスピースも小さめなので、顆粒状で使用量が調節出来るのはありがたいです。
我が家は一袋で約5ヶ月程もちます。
以前、こちらを切らしてしまい、市販のタブレット状のリテーナーを使用した時に良く流さなかったのか、口に入れたら苦い!と言ったのでやはり安心して使える物の方が良いなと改めて思いました。』――石けん百貨
マウスピースクリーナーは自宅にあるものでも代用できる
マウスピースを綺麗にしたくても、専用のクリーナーが手元にない場合もあるでしょう。
次は、自宅にあるもので代用可能なクリーニング方法をご紹介します。
市販のクリーナーがなくても、以下の代用品でしっかりとマウスピースを洗浄できます。
- 中性洗剤(食器用)
- 重曹
- ホワイトビネガー
- カスティールソープ
中性洗剤(食器用)
食器用の中性洗剤は強い成分が含まれていないため、マウスピースの洗浄にも有効です。
研磨剤などが入っていない中性洗剤なら、マウスピースを傷つける心配もありません。
適量の中性洗剤を水で薄め、マウスピースを漬け置きします。
その後、歯ブラシで軽くこすり洗いをして、よくすすいでください。
重曹
掃除や洗浄によく使われる重曹は殺菌作用があり、マウスピースを傷つけず汚れを落とせます。
同量の重曹と水を混ぜてペースト状にし、歯ブラシにつけてマウスピースを洗ってください。
漬け置きしたい人は、重曹を水に溶かしてマウスピースを30分ほど漬けると良いでしょう。
どちらの方法も、重曹が残らないように最後に水でよく洗い流してください。
ホワイトビネガー
ホワイトビネガーは酸性なので、重曹ほどではありませんが殺菌作用があります。
ホワイトビネガーをぬるま湯で薄め、20分ほどマウスピースをつけ置きしてください。
その後歯ブラシで磨き水で流した後、再度新しいホワイトビネガー液に20分漬け込みます。
漬け終わったら、水でよく洗い流してください。
ホワイトビネガーは酸のニオイが強いので、マウスピースにニオイが移る可能性があるのが注意点です。
カスティールソープ
カスティールソープとは、オリーブオイルなどの植物ベースの素材からできた石鹸です。
人体にも優しくマウスピースが傷まず、洗浄力も優れているのでマウスピースを洗うのに最適。
漬け置きする場合は、ぬるま湯にカスティールソープを溶かし、マウスピースを漬けてください。
その後歯ブラシでマウスピースを磨き、再度5分ほど漬け込んだ後に洗い流してください。
まとめ~マウスピースは手軽にお手入れできる~
マウスピースが汚れていると、ニオイが気になったり衛生環境も悪くなります。
矯正効果も薄くなる可能性が高いため、洗わないで放置するのはやめましょう。
マウスピースを清潔に保つためには、正しい方法でお手入れすることが大切です。
今回ご紹介した洗い方や道具などを参考に、定期的にマウスピースを洗いましょう。
マウスピースを綺麗にし、快適な矯正治療を実現しましょう。