「お気に入りのスニーカーだからこそずっと長く履いていたい」
「スニーカーの手入れって普通の運動靴と同じ手入れでいいの?」
運動するときやカジュアルなファッションと合わせやすい「スニーカー」を、きれいに使おうと意識していても、気が付けば汚れているっていうことありませんか?
お気に入りのスニーカーほど、履くのがもったいない気がしてなりません。
そこで今回は、スニーカーの正しい洗い方を解説していきます。
- スニーカーが汚れる原因
- スニーカーの洗い方
- スニーカーを長持ちさせる秘訣
- 特殊な素材で製造されたスニーカーの手入れの仕方
お気に入り、大切な一足だからこそずっと長く履いていたいと思うからこそ、正しい手入れの仕方を覚えていきましょう。
スニーカーが汚れる原因
スニーカーの洗い方を説明する前に、スニーカーが汚れる原因について解説します。
泥汚れ
「泥汚れ」は、スニーカー表面の汚れで代表的な汚れです。
「泥汚れ」と言えば、砂ぼこりや雨でぬかるんだ土の上を走ったことでついた汚れというイメージがありますが、実は「アスファルトの油」や室内外を舞っている「ほこり」などさまざまなものが原因で汚れていきます。
特に「アスファルトの油」は水に溶けにくい「不溶性」を持っているため、お出かけ後はきれいな布で手入れするといいです。
黄ばみ
「黄ばみ」は、主にスニーカー全体に見られる汚れです。
原因は、主に生地表面に残った「アルカリ性」洗剤が原因で黄ばんでいます。
この「アルカリ性成分」は紫外線と反応することで黄ばみを生みます。
特に洗濯をするとき、「アルカリ性の洗剤」を使って洗濯をする人ほどスニーカーの黄ばみが目立っています。
スニーカー洗濯で心得ておくポイント
まずスニーカーを洗うときに心がけておくポイントをご紹介します。
パーツ別でそれぞれに洗濯をする
スニーカーを洗濯するときは、「紐」「スニーカー本体」「ソール部分」「中敷き」とそれぞれパーツ別に洗濯することです。
スニーカーの汚れは、本体のみならず「紐」や「ソール部分」などの各パーツにも及んでいます。
本体のみをきれいにしても、「紐」や「ソール部分」が汚れていては、きれいな景観を損ねてしまいます。なので、洗濯する際は「紐」など各パーツを本体からほどいて別々に手入れしていきましょう。
洗剤は「中性洗剤」を使用する
「黄ばみ」の原因は主にアルカリ性成分が紫外線に反応することによってできるものです。黄ばみをなくすためにも使用する洗剤は、「中性洗剤」を使用しましょう。
「中性洗剤」は普段使用している「オシャレ着用洗剤」で問題ありません。
洗濯前に表面をブラッシング
いきなり洗濯に入るのではなく、下処理としてスニーカー表面をブラッシングしましょう。
これをすることで靴表面にある細かいゴミやほこりを取り除くことができます。
靴底にたまった砂は歯ブラシを使って取り除くといいでしょう。
スニーカー洗濯で使用するアイテム
次にスニーカー洗濯で使用するアイテム一覧です。
【アイテム一覧】
- ブラシ(靴専用ブラシ、洗濯ブラシ、歯ブラシ)
- 靴が入るほどのバケツor洗濯おけ
- 洗濯用洗剤(中性)
の3点は「手洗い」または「洗濯機」で洗濯するとき、共通で使用するアイテムです。
また、以下のものはあると便利なアイテムです。
【+αで使えるアイテム】
- お酢or重曹
- 酸素系漂白剤
- 靴用洗濯ネット(洗濯機使用時)
の3点があるとよりきれいになります。使い方は各洗い方の中で説明をしていきます。
スニーカーの洗い方
スニーカーが汚れる原因が分かったところで、ここからスニーカーの正しい洗い方について解説していきます。
スニーカーの洗い方(下処理編)
ここでは洗濯に取り掛かる前のスニーカーの下処理です。
「手洗い」「洗濯機使用」のどちらかで洗濯をする前には必ず行うようにしましょう。
1.紐、中敷きを取り除く
まずはスニーカーの各パーツ、紐と中敷きを取り出してそれぞれ「パーツ別」にしていきます。
2.ブラッシング
パーツ別にしたら、まずスニーカー本体をブラッシングしていきます。
これで表面上にあるゴミやほこりを取り除くことができます。靴底の隙間に溜まった砂やゴミもこの時取り除くようにしましょう。
3.ソール部分をメラニンスポンジで擦る
ブラッシング後に「ソール部分」の汚れを、メラニンスポンジで落としていきます。
メラニンスポンジは、水で濡らすことによって簡単に汚れを落とすことができる万能アイテムです。
これで下処理は完了です。
ここからは「手洗い」または「洗濯機使用」と別れて行っていきます。
スニーカーの洗い方(手洗い編)
ここでは下処理を済ませたスニーカーを「手洗い」していく場合の手順です。
1.バケツorおけにぬるま湯を張る
手始めに靴が入るほどのバケツorおけにぬるま湯を張ります。
これらアイテムがない場合は、洗面台に栓をしてぬるま湯を張るのもいいでしょう。
2.洗濯液づくり
ぬるま湯を張ったらその中に、「中性洗剤」を1回の洗濯で使用する量入れていきます。
この時、「重曹」を入れるとより強い効果を発揮します。
3.スニーカーを洗濯液に浸す
洗濯液が完成したら、スニーカー本体と中敷き、紐を浸して漬け置きしていきます。
漬け置きに要する時間は約15分ほどです。
4.中性洗剤で洗っていく
約15分漬け置きができたら、中性洗剤を付けたブラシでスニーカー本体、中敷き、紐を洗っていきます。
「紐」を洗うとは靴底に押し当てて洗うといいでしょう。
また中性洗剤の代わりに、「重曹」または「クエン酸」で洗うという手もあります。
5.すすいでお酢orクエン酸で漬け置き
洗い終えたら、きれいな水でよくすすいでいきます。
すすぎ終えたらまたぬるま湯を張って、その中にお酢200ccまたはクエン酸大さじ2杯分入れて再び靴を漬け置きしていきます。
漬け置き時間は約2~3時間です。
お酢やクエン酸を使用することによって「重曹」のアルカリ成分を中和してくれます。
6.再度すすぐ
漬け置きができたら、ニオイがなくなるまで流水ですすいでいきます。
この時、ブラシで軽く擦りながらやるのが効果的です。
7.タオルまたは洗濯機で軽く脱水
洗い終えたら、バスタオルでくるんで軽く脱水をするか、洗濯機で軽く脱水をしていきます。
脱水をせずに干した場合、「水ジミ」や「ニオイ」の元となります。
これでスニーカーの手洗いは完了です。
スニーカーの洗い方(洗濯機編)
次に下処理したスニーカーを「洗濯機」で洗濯する場合の手順です。
1.汚れがひどい場合は酸素系漂白剤で漬け置き
スニーカーの汚れがひどい場合は洗濯機を使用する前に「漬け置き」をしましょう。
漬け置きには「酸素系漂白剤」を使用します。
「酸素系漂白剤」は泡の力で汚れを洗浄してくれます。
漬け置き時間は約30分ほどです。
2.洗濯ネットに入れていく
次にスニーカー本体と紐、中敷きを「靴用の洗濯ネット」に入れて洗濯機に入れていきます。
この時、スニーカー本体と各パーツ別にネットを分けるといいでしょう。
3.洗剤投入
洗濯機にスニーカー等を入れた後は、「中性洗剤」を入れていきます。
粉洗剤では解け残りがある恐れがあるので、液体洗剤を使用しましょう。
この時、水と洗剤量は普段よりも多めがベストです。
理由は、水量が多いて靴を浮かせられるうえ、傷つきが少ないです。また洗剤量も多めに投与することで頑固な汚れを落とすことができます。また水量が多いため、スニーカーの生地表面を傷めることがそうありません。
4.洗濯コース
スニーカー洗濯時に選ぶコースは、「標準コース」でも問題ありません。
洗濯から脱水まで1通りの工程が済めば、スニーカーの洗濯が完了となります。
スニーカーの干し方
ここからは各洗濯方法で洗浄し終えたスニーカーを干していきます。
干すときは「風通しのいい日陰で干すこと」です。
日向で干した方が殺菌効果は高いですが、もし「アルカリ成分」が生地表面に残っていると紫外線による黄ばみを作る原因となります。
また変色や型崩れの原因にもなりますので、風通しのいい日陰で干すのが最適です。
干すときに「靴用ハンガー」などのアイテムがあると便利です。
そのほかにも以下の方法があります。
【アイテムがない場合の干し方】
- 壁に立てて干す
- 物干し竿の端っこにひっかけて干す
- 針金ハンガーの両端を折り曲げて靴用に変形させる
干しの期間は1日~2日程度がいいでしょう。
また早く乾かそうとして「乾燥機」を利用するのはNGです。
理由は「型崩れ」を起こすほか、生地が縮む原因となるためです。
乾かすときは「風通しのいい日陰」で自然乾燥させるのがポイントです。
スニーカーを長持ちさせる秘訣
洗濯することでスニーカーをいつまでも履けるようにできますが、時間を経るごとに汚れは蓄積していきます。
ここからは少しでもスニーカーを長持ちさせられる方法をご紹介していきます。
履く前には防水スプレーで水気をガード
購入したてのスニーカーこそまだ汚れがない「新品」そのものです。
その時こそ「防水スプレー」を施して、汚れからスニーカーを守りましょう。
「防水スプレー」は雨の日にするのがいいとされていますが、油分汚れを防ぐ効果もあります。
「防水スプレー」でコーティングする際は、風通しのいい野外でムラなく行いましょう。
ちょっとした汚れはメラミンスポンジ
スニーカーのちょっとした汚れを落とすためだけに、大掛かりな手洗いや洗濯機を使用するのは少しもったいない気がしてならない時は、「メラニンスポンジ」を使用して汚れを落としましょう。
「メラニンスポンジ」は、水に濡らして汚れを擦るだけで簡単に落とすことができます。
この時力を込めて擦るのは、スニーカーの生地表面を傷めてしまう原因となります。軽く擦る程度で汚れを落としていくのがコツです。
緩紐は型崩れの原因を起こす
スニーカーの脱ぎ履きを手軽にするために、紐を緩めている状態が長くなれば、生地が伸びて型崩れを引き起こします。
そのほか、履き口がダブついたり、 生地にシワができたりします。
履くときは、靴ひもをキュッと結ぶようにしましょう。
脱ぐときは靴ひもを緩める
靴を脱ぐときかかとの内側を踏んで脱いだりするのは、型崩れの原因を招くほか、かかと部分の生地を傷める原因となります。
スニーカーを脱ぐときは、紐を緩めて履き口にゆとりを持たせることが大切です。
シューキーパーを使用して型崩れ防止
革靴やドレスシューズで使用されているイメージが強い「シューキーパー」ですが、実はこれら以外の靴にも利用できます。当然、スニーカーでも利用することができます。
「シューキーパー」には、型崩れ防止の他、除菌や脱臭の効果があります。
この効果を利用してスニーカーを長持ちさせることができます。
またブラッシングをする際も「シューキーパー」が形を保ってくれるので、逐一内側からブラッシングする部分を抑える必要がなくなります。
脱いだ後はしっかり乾燥させて陰干し
1日中履いていたスニーカーは、1日寝かせましょう。
理由は靴を履いている間、その中では汗や皮脂が内部に染み込んでいるからです。
スニーカーを脱いだら風通しのいい日陰で乾燥させましょう。
また脱いですぐシューズボックスに収納するのもNGです。
ボックス内の湿気やニオイが原因で乾きが遅く、汚れを作る原因になるためです。
特殊なスニーカーの手入れ・洗い方
最後に「水洗い」や「漬け置き洗い」ができない「特殊素材」で製造されたスニーカーの手入れ方法についてご紹介します。
レザースニーカーの手入れ
「レザー素材」で製造されたスニーカーを手入れする際は、中性洗剤を水で10倍に薄めた洗剤水を染み込ませたスポンジで洗っていきます。
この時、スニーカーをどっぷり洗濯水の中に入れてはなりません。
レザー素材表面にある汚れをスポンジで軽く洗い流すのがポイントです。
洗浄後は乾いた布かタオルで水気と泡を取り除いて、固く絞った濡れ布巾で表面を水拭きしていきます。
スエードスニーカーの手入れ
「スエード素材」で製造されたスニーカーの手入れ方法は以下の手順で行っていきます。
【スエード素材の手入れ手順】
- ブラッシング
- 濡れタオルでスニーカー全体を湿らせる
- スポンジ上にシャンプーを染み込ませ泡立てて靴全体を優しく洗っていく
- シャンプーを落とすときは、水で濡らしたスポンジで泡を吸い取るようにして拭き取っていく
- 拭き終えたら、日陰で干していく
となります。
注意点は、「スエード素材」は、水につけるとシミができてしまいます。そのため、手入れをするときはタオルや布で湿らせてから手入れをするようにしましょう。
革製スニーカーの手入れ
「革製」のスニーカーは原則「水洗いNG」となっています。
手入れをする際は「革靴専用のクリーナー」を用いて「拭き洗い」をしていくしか手はありません。
「拭き洗い」後は風通しのいい日陰で1日干していきます。
干し終えたら仕上げとして「革靴用栄養クリーム」と「防水スプレー」をして完了となります。
よくある質問
A.スニーカーの洗濯に関するよくある質問をまとめました
- スニーカーが汚れる原因は?
- スニーカーを洗う際に注意するポイントは?
- スニーカーを長持ちさせる方法は?
スニーカーが汚れる原因は?
A.泥汚れと黄ばみです。
泥汚れは砂ほこりやぬかるんだ土の上だけでなく、アスファルトの油や空気中に舞っているほこりなども原因になります。
また、黄ばみはスニーカー生地の表面に残ったアルカリ性洗剤が原因でおこります。
スニーカーを洗う際は、どちらの汚れが原因かを見極めおくと効率よく洗濯できますよ。
スニーカーを洗う際に注意するポイントは?
A.パーツ別でそれぞれ洗濯をすることです。
スニーカーの本体のみをきれいに洗濯しても、紐やソール部分が汚れたままでは綺麗に見えません。
なので、洗濯する際には各パーツを本体からほどいて別々に手入れするようにしましょう。
スニーカーを長持ちさせる方法は?
A.履く前に防水スプレーをかけておく方法があります。
防水スプレーは雨の日にするものというイメージがありますが、実は油汚れにも有効です。
防水スプレーでスニーカーをコーティングして、油汚れを防ぎましょう。
スニーカーは汚れの種類に合わせて洗うことが大事
以上が、スニーカーの正しい洗濯方法のご紹介でした。
今回の内容をまとめると以下の通りとなります。
- スニーカーの汚れの原因は「泥汚れ」と「黄ばみ」の2種類
- 「黄ばみ」は生地表面に残った「アルカリ成分」が紫外線に反応して起こる
- 洗濯するときは、一度スニーカーを「パーツ別」に分けて選択していく
- 「重曹」や「お酢」「酸素系漂白剤」があると、頑固汚れも落とせる
- 特殊素材で製造されたスニーカーほど、手入れを慎重に行う必要がある
「スニーカー」は、靴の中でも特に「汚れやすいもの」です。
しかし、履く前と履いた後にしっかり手入れをすることで、そのスニーカーは汚れにくくなるほか、ずっと長く履いていられる代物へと変貌します。
またレザーやスエード、革などの特殊素材を用いて製造されたスニーカーほど、素材に適したメンテナンスを行う必要があります。
特にお気に入りの一足をずっと長く履いていたいという気持ちがあるならば、定期的にメンテナンスを行いましょう。
そのやり方は、当記事で解説しています。