洋服に付いた頑固な油汚れや泥汚れ、皮脂汚れは時間が経てば経つほど落ちにくいです。
しかし、そんな汚れをものともせずきれいに落とせる石鹸があります。
それが「ウタマロ石けん」です。
薬局やスーパーに行けば、必ず販売されているこの洗濯用固形石鹸「ウタマロ石けん」は、昔ながらのパッケージで、今なお洗濯という場で活躍を見せています。
そこで今回は、ウタマロ石けんの洗浄成分、「なぜ緑色の固形石鹸なのか」を解説する基本情報と基本的な使い方、使用時の注意点をご紹介します。
- ウタマロ石けんの基本情報
- 基本的な使い方
- 使用時の注意点
- 使いやすくする方法
ウタマロ石けんの基本情報
「ウタマロ石けん」は、昭和32年から現在まで衣類洗濯を支えてきた「部分洗い専用の洗濯石鹸」です。
ウタマロ石けんが落とせる汚れは、以下のものが挙げられます。
【ウタマロ石けんが落とせる汚れ】
- 泥汚れ
- 皮膚汚れ(黄ばみ汚れ)
- 化粧品汚れ
- 油汚れ
- 黒ずみ
- インク汚れ
上記6つに対して、強い洗浄力を持っています。
洗浄力の秘訣は「弱アルカリ性成分」と「蛍光増白剤」を配合した石鹸だからです。
さらに、水に溶けやすいので、汚れ部分をあらかじめ濡らしておけば、汚れ表面に塗布できます。
さらに石鹸には除菌・消臭効果があります。
ウタマロ石けんが緑色をしている理由
「石鹸」といえば、「白」を思い浮かべる方が多いですが、ウタマロ石けんは目立つ「緑色」をしています。
なぜ石鹸が緑色をしているのかを紐解くカギは、ウタマロ石けんの使用用途「部分洗い」にあります。
「部分洗い」をするとき、汚れ表面に洗剤塗布して汚れを落としていきます。この時、色が無色であればしっかり塗布されているのか分かりません。
ウタマロ石けんが緑色をしている理由は、汚れ表面にしっかり洗剤を塗布できていることを確認しやすくするための「目印」としての役割を担っています。。
さらに塗布してしっかり揉み洗いができればこの緑色が消えますので、「しっかり洗濯できた」ことを告げるサインの役割も果たします。
ウタマロ石けんの魅力
ウタマロ石けんの使用用途には、以下の魅力があります。
【ウタマロ石けんの魅力】
- 高い洗浄力
- 白物をより白くできる「蛍光増白剤」の使用
魅力①高い洗浄力
ウタマロ石けん最大の魅力は、何と言っても「高い洗浄力」です。
普通の洗剤では落としきれない頑固な泥汚れや黄ばみ、黒ずみなどは酸素系漂白剤や重曹を用いてやっと落とせるところ、ウタマロ石けんはこれら汚れ表面に塗布して揉み洗いするだけで落とせる強い洗浄力を有しています。
さらに水に溶けやすい性質を持っているので、使い勝手もいいです。
魅力②白物をより白くできる「蛍光増白剤」の使用
ウタマロ石けんには、白物を汚れが付く以前よりも白くできる「蛍光増白剤」が配合されています。
この成分は日光に含まれる紫外線を吸収することで青白い光を発して、衣類を白く魅せてくれます。
この効果は部分洗いをしても残った汚れを目立たなくしてくれます。
ただし、洗濯の回数を重ねればその効果が薄れていきますのでご注意ください。
あくまで、白さを出してくれる「蛍光増白剤」が汚れ表面上にコーティングされているにすぎません。
ウタマロ石けんで落とせる汚れの種類
ウタマロ石けんは、以下の汚れに対して使用するのがおすすめです。
【ウタマロ石けんが落とせる汚れ】
- 体操服やユニフォームなどの泥汚れ
- 靴下、靴の中敷き、スニーカーの黒ずみ
- 襟・袖口の皮脂汚れ(黄ばみ汚れ)
- 口紅・ファンデーションなどの化粧品汚れ
これら汚れを落とす場合、重曹や酸素系漂白剤を用いた漬け置きやクリーニングに依頼して汚れを落とします。
しかし、ウタマロ石けんを用いれば、そのような工程を用いらなくても落とせます。
ウタマロ石けんを用いるときにそろえるアイテム
ウタマロ石けんを使用する際は、以下のアイテムを揃えておきましょう。
【用意するアイテム】
- 洗濯桶or洗濯ボウル(なければ洗面台)
- ゴム手袋(手荒れ防止)
- 歯ブラシ
上記3つのアイテムを用意してからウタマロ石けんを使用しましょう。
+αとして「洗濯板」があると、汚れ表面にウタマロ石けんを塗布しやすいです。
また、ウタマロ石けんは「弱アルカリ性成分」の洗濯石鹸です。
素手で揉み洗いを行えば石鹸成分によって、手が荒れてしまう恐れがありますので、使用する際は必ずゴム手袋をしましょう。
ウタマロ石けんの使い方
ここでは、ウタマロ石けんの基本的な使い方をご紹介します。
部分洗い
ウタマロ石けんは「部分洗い専用の洗濯石鹸」です。
前節でご紹介した汚れ表面上に塗布して、揉み洗いすることで汚れを落とせます。
以下は、ウタマロ石けんの使用手順です。
【使用手順】
- 洗濯桶にぬるま湯を張る。
- 衣類をぬるま湯に浸す。
- 汚れ表面にウタマロ石けんを塗布する。
- 塗布された緑色が消えるまでしっかり揉み洗いする。
- 汚れがある程度落とせたら、洗濯機に入れて普段通りに洗濯する。
これで、ウタマロ石けんを用いた部分洗いは完了です。
- ウタマロ石けんを用いるときは、必ずゴム手袋を着用する。
- 汚れが落ちたら、普段通り洗濯機に入れて洗濯してもいい。
- 揉み洗いで汚れが落とせたら、水ですすいで脱水してもいい。
漬け置き
時間が経てば経つほど繊維の奥に浸透して落としにくい黄ばみ汚れや黒ずみには、ウタマロ石けんの揉み洗いだけでは落としきれません。
そんな時は揉み洗い後に、酸素系漂白剤を溶いた漂白液に2~30分ほど漬け置きしてあげましょう。
このとき、酸素系漂白剤に重曹を混ぜると、より強力な漂白液になります。
漬け置き後は洗濯機で洗ってあげると汚れが綺麗に落ちます。
擦り洗い
体操着やユニフォーム、靴下などに見られる泥汚れは、繊維の奥にまで浸透してしまうので、揉み洗いだけで汚れを落とすのは難しいです。
この時は、揉み洗いの前に、歯ブラシを用いてあげるのがおすすめです。
歯ブラシを用いることで、繊維の奥に入った汚れを擦り出せます。
ある程度擦り洗いで汚れを掻き出せたら、揉み洗いして洗濯機に入れてあげれば洗濯完了です。
ただし、擦り洗いをするときは、力を込めず優しく擦ってあげましょう。
叩き洗い
醤油やソースなどの油汚れには、揉み洗いをした後に叩き洗いをしてあげるのがおすすめです。
叩き洗いは、歯ブラシや濡れタオルなどで汚れを叩いて汚れを移す方法です。
叩き洗いをしていけば、次第に汚れが繊維から浮き出て歯ブラシやタオルに移ります。
汚れが落ちたら、洗濯機に入れて洗えば完了です。
ウタマロ石けんを使用するときの注意点
ここでは、ウタマロ石けんを使用するときの注意点をご紹介します。
水気が多い場所は避ける
ウタマロ石けんは水に溶けやすい性質です。
水を浴びれば、たちまち石鹸表面がドロドロに溶けるほどの水溶性をもっています。
そのため、一度使用して次使用するまでの間は、水気が少なく風通しのよく乾燥している場所に保管してあげるのがおすすめです。
【おすすめ保管方法】
- ウタマロ石けん専用のケースに入れる
- 適切なサイズにカットして、無印や百均で売られている空ケースに入れる
色柄物やデリケートな素材は控える
ウタマロ石けんは「弱アルカリ成分」と、白物を白く保つための「蛍光増白剤」が配合されています。
そのため、色柄物の洋服や特殊な洗濯方法を必要するデリケートな素材で仕立てられた衣類の部分洗いには適しません。
もし、使用してしまえば、色あせや色落ちといった風合いを損ねます。
また揉み洗いを基本とするので、強い力が加われば型崩れを起こす衣類の使用も避けるべきです。
洗濯後はしっかりすすぐこと
ウタマロ石けんに配合されている「弱アルカリ成分」は、紫外線が当たると「黄ばみ」作る原因になります。
もし揉み洗いだけで汚れが綺麗に落ちた場合は、洗濯カスが残らないようしっかりすすぎましょう。
すすぎの目安は「泡が出なくなるまで何度もすすいであげること」です。
また、手洗いのすすぎだけでは落としきれているか心配という方は、洗濯機を利用してすすぎましょう。
ウタマロ石けんをより使いやすくする方法
ここでは、ウタマロ石けんを使いやすくする方法を2つご紹介します。
専用ケースに入れてスティックタイプにする
ウタマロ石けんは、汚れに直接塗布して揉み洗いを行うので、ゴム手袋が濡れていれるとツルッと滑り落ちてしまいます。
そんな時に便利なのが「ウタマロ石けん専用ケース」に入れて使用する方法です。
この専用ケースの内側には、石鹸を固定するため凹凸と9つのリブが付いていますので、汚れ表面にしっかり塗布できます。
さらに、石鹸が小さくなれば底を押し上げてあげることで、出し具合の調節ができます。
このケースに入れてあげれば、スティックタイプでの使用ができほか、保管もできます。
使い切りできるサイズにカットする
専用ケースに入れていてもちょっと大きくて不格好、それに使いにくいという方は、好みのサイズにカットしてあげましょう。
ウタマロ石けんをカットする場合の手順は、以下のようになります。
【カットの手順】
- ウタマロ石けんをラップに包む。
- レンジで500W設定、2~30秒ほど温める。
- 柔らかくなった石鹸を好みのサイズにカットしていく。
これで使い切りタイプのウタマロ石けんが完成します。
カットして余ったものはビンに入れてあげると、保管場所にも困りません。
さらに百均で販売されている「直塗バタースティック」という商品のサイズに合わせてカットして開ければ、即席のスティックタイプ ウタマロ石けんが完成します。
塗布しにくい箇所には粉末状にしてあげる
上履きの内側など、ウタマロ石けんを細かくカットしても塗布しにくい箇所があります。
そのような場所にはウタマロ石けんを「粉末状」にしてあげるのがおすすめです。
【粉末状にする方法】
- ウタマロ石けんを少量カットする。
- キッチンペーパーを敷いた皿の上に乗せて、レンジ500Wで1~2分間温める。
- 温めて柔らかくなったウタマロ石けんを一度冷ます。
- 冷めたら保存バッグに入れてめん棒でたたき砕いていく。
- 砕いて粉末状になったウタマロ石けんを汚れに振りかけていく。
これで、ウタマロ石けんの粉末化は完了です。
形状が異なっても洗浄力はそのままなので、汚れに振りかけた後は濡れた歯ブラシで汚れに塗布してこすり洗いで汚れが落とせます。
さらに粉末状にすることで、より水に溶けやすいものへとなりますので、漬け置き洗いの洗剤としても使用できます。
まとめ~多種多様な使い方で頑固な汚れを落としていこう~
以上が、ウタマロ石けんの洗浄成分、「なぜ緑色の固形石鹸なのか」を解説する基本情報と基本的な使い方、使用時の注意点をご紹介でした。
今回の内容をまとめると以下の通りになります。
- ウタマロ石けんは、頑固な泥汚れや油汚れを落とすのに適している。
- 部分洗い専用の洗濯石鹸。
- 弱アルカリ成分と蛍光増白剤配合。
- 使用する際は、ゴム手袋必須。
- 洗濯後はしっかりすすぎ落とすこと。
- 汚れに合わせて擦り洗いや漬け置き洗いをしてあげると汚れの落ちが変わる。
- 部分洗いを終えたら洗濯機で洗っていい。
- 色柄物やデリケートな素材で仕立てられた衣類には不向き。
- 水気がない場所で保管すること。
- レンジで温めるとカットや使用用途の幅が広がる。
ウタマロ石けんは、高い洗浄力と白さを保ってくれる蛍光増白剤のおかげで、今なお多くの主婦の間で親しまれているロングセラー商品です。
今まで、頑固な泥や黄ばみ汚れに手を焼いていた方は、ぜひ1度ウタマロ石けんを使ってみましょう。
さらに、電子レンジで温め柔らかくしてあげることで、様々な形状に変えられて使用できる幅が増えます。
ただし、ウタマロ石けんの使用は、白を基調とするものに限られますので、色柄物やデリケートな素材で仕立てられた衣類の使用は控えましょう。