クリーニングで水洗いをしたことはありますか?
実はクリーニング店の多くはドライクリーニングという方法を採用しています。
水洗いとドライクリーニングの違いはどこにあるのか、水洗いをしてくれるクリーニング業者はどこなのか。
今回はクリーニングの水洗いについて徹底的に解説していきます。
家で洗うのとは一味も二味も違うプロの水洗い、お気に入りの衣服を長持ちさせるためにもきちんと理解しておきましょう。
水洗いが得意な宅配クリーニングもあわせてご紹介しますよ。
ドライクリーニングと水洗いの違い
クリーニングには、ドライクリーニングと水洗いなど種類があります。
水洗いは水を使って洗うことが想像できますが、ドライクリーニングはいまいち想像できない方が多いです。
ここでは、それぞれの洗い方の違い、落とせる汚れの違いについて解説します。
水を使うか使わないかの違い
ドライクリーニングと水洗いの最も基本的な違いは、水を使うかどうかです。
それ以外にも、以下のような違いがあります。
洗い方 | 水洗い | ドライクリーニング |
---|---|---|
水の使用有無 | 使用 | 不使用 |
洗濯方法 | ・40~60℃の温水を使用 ・洗剤や漂白剤を使用して汚れを洗い落とす | ・有機溶剤(石油系の薬剤)で汚れを溶かして落とす |
適した衣類 | 水洗いに適した衣類 | ・洗濯表示が「ドライ」のモノ ・デリケートな素材でできた衣類 |
例えば、水洗いでは、40~60℃の温水を用いて洗剤や漂白剤、石鹸を使い、衣類の汚れを落とします。
これは一般的な家庭の洗濯と同様のプロセスで、水に耐性のある衣類に適しています。
一方で、ドライクリーニングは水を一切使わず、有機溶剤(ドライ溶剤)と呼ばれる石油系の薬剤を使用して汚れを溶かし落とします。
このため、水に弱い繊細な衣類や特定の素材で作られた衣類に対して、ドライクリーニングが選ばれます。
ドライクリーニングと水洗いで落とせる汚れの種類
水洗いとドライクリーニングでは、落とせる汚れの種類にも大きな違いがあります。
クリーニング方法 | 落とせる汚れの種類 |
---|---|
ドライクリーニング | ・脂溶性の汚れ |
水洗いクリーニング | ・脂溶性の汚れ ・水溶性の汚れ |
どのような汚れを落とせるかは、前述した洗い方に依存します。
またクリーニングのプロは、汚れや衣類の種類に応じて最適な方法を選択してクリーニングを行います。
ここからは、洗い方で落とせる汚れについて解説します。
ドライクリーニングで落とせる汚れ
ドライクリーニングは、主に脂溶性の汚れに対して非常に効果的です。
- 皮脂
- 口紅、ファンデーションなどの化粧品による汚れ
- 食用油やチョコレートといった油分を含んだ食べ物の汚れ
これは、有機溶剤(ドライ溶剤)と呼ばれる石油系の薬剤を使用して、油脂汚れを溶かし出す方法です。
また、ボールペンやマジックなどの油性ペンによる汚れもドライクリーニングで落とせます。
しかし、水溶性の汚れ、例えば汗や飲み物のシミなどにはあまり効果がないため、ドライクリーニングだけでは落としきれません。
このような場合、クリーニング店では、ドライクリーニング後に水洗いを行うことで、汚れを完全に落としきれます。
水洗いで落とせる汚れ
水洗いは、主に水溶性の汚れに対して強力な洗浄力を発揮します。
- 汗や皮脂による塩分汚れ
- 血液
- 尿
- ジュースやアルコールなどの飲み物による汚れ
また、たばこのにおいなども水洗いで効果的に除去できます。
さらに、適切な洗剤を使用することで、ある程度の脂溶性の汚れも除去できます。
しかし、ドライクリーニングと比較すると、脂溶性の汚れに対する効果はやや劣るため、油分を多く含んだ汚れに対しては一部落としきれない場合があります。
よってクリーニングを依頼する際には、衣類の汚れの種類に応じて、最適な方法を選ぶことが重要です。
ドライクリーニングを選ぶメリット
ドライクリーニングは、水を使用せずに衣服を洗浄する特別な方法で、多くの衣類のケアに適しています。
以下は、ドライクリーニングの特徴から分かるメリットです。
- 脂溶性の汚れをしっかり落とせる
- デリケートな素材のクリーニングに最適
- シワ・型崩れを起こしにくい
- 風合いが損なわれにくい
上記4つのメリットが分かるように、ドライクリーニングは、脂溶性の汚れに対して強力な効果を発揮するため、油性の汚れやしみが付いた衣類に最適です。
通常の水洗いでは落としきれない汚れも、有機溶剤を使用することで脂溶性の汚れを綺麗にできます。
ここからは、上記4つのメリットについて解説します。
脂溶性の汚れをしっかり落とせる
ドライクリーニングの大きな利点の1つは、脂溶性の汚れに非常に効果的であることです。
これは、油脂成分が含まれる汚れや、普段の生活で付着する可能性のある化粧品の跡などをしっかりと取り除けます。
- 皮脂汚れ
- 食用油による油汚れ
- 口紅・ファンデーションなどの化粧品の跡
特に価値の高い衣類や頻繁には洗えない衣類のメンテナンスに適しています。
デリケートな素材のクリーニングに最適
ドライクリーニングは、デリケートな素材で仕立てられた衣類についた汚れを綺麗にする際の方法としても有効です。
- ウール
- シルク
- カシミヤ
- ファーなど
ドライクリーニングであれば安心して洗浄できます。
これらの素材は、水洗いによる縮みや型崩れのリスクがありますが、ドライクリーニングならその心配が少なく、素材本来の風合いを保ちながら清潔さも保てます。
シワ・型崩れを起こしにくい
ドライクリーニングは、衣類にシワや型崩れが少なく、仕上がりが非常に綺麗です。
水を使わないため、衣類が水分で重くなったり、吸水による形の変化を避けることができ、特にビジネスシーンでのスーツやフォーマルなドレスには最適です。
風合いが損なわれにくい
ドライクリーニングは衣類の風合いを損なうことなく、その美しさを長持ちさせられます。
有機溶剤を使った洗浄は、素材に優しく、色あせや風合いの変化を最小限に抑えるため、長期間にわたって衣類を新品同様の状態を保てます。
水洗いクリーニングを選ぶメリット
水洗いクリーニングは、特に水溶性の汚れに対して非常に効果的です。
その点を含めて、水洗いクリーニングは、以下のようなメリットを持っています。
- 水溶性の汚れを落とす力が強い
- 石鹸や漂白剤などの洗剤が使える
- 汗シミや黄ばみ汚れの予防ができる
- におい金やカビ菌の除去ができる
衣服に付着した汗や皮脂、果汁などの水溶性の汚れは、水洗いによって素早くかつ効率的に除去できます。
これは水が汚れを素早く浸透し、洗剤と共に汚れを分解するためです。
ここからは、上記4つのメリットについて解説します。
水溶性の汚れを落とす力が強い
水洗いクリーニングは、水溶性の汚れに対して非常に効果的です。
- 汗
- 皮脂
- 血液
- 果汁
- アルコール
上記のような水に溶けやすい汚れを綺麗に落とす手段として、水洗いクリーニングは最適です。
石鹸や漂白剤などの洗剤が使える
汗や黄ばみといった汚れは時間とともに衣類に定着しやすく、放置すると除去が困難になることがあります。
しかし、水洗いクリーニングでは、石鹸や漂白剤などの強力な洗浄剤を使用できるため、頑固な汚れも効果的に落とせます。
これらの洗剤は、特に汚れや菌の除去に優れており、洗浄力が高いことから、衣類にこびりついた汚れやにおいを効果的に除去できます。
また、適切な温度で洗浄を行うことで、洗剤の効果を最大限に引き出すことができるのも特徴です。
汗シミや黄ばみ汚れの予防ができる
水洗いクリーニングは、汗や皮脂による黄ばみの予防にも効果的です。
汗ジミや黄ばみは、時間が経つほど落としにくくなりますが、定期的に水洗いを行うことでトラブルを未然に防げます。
さらに、衣類の清潔さを長く保つためには、こうしたメンテナンスが重要です。
におい菌やカビ菌の除去ができる
水洗いクリーニングは、衣類に付着したにおい菌やカビ菌の除去にも有効です。
カビやタバコのにおいなど、頑固な臭いは水洗いによって効果的に取り除けます。
特に、湿気の多い季節や長期間保管していた衣類に発生するカビ臭は、水洗いクリーニングに出すことで、しっかりとした除菌と消臭効果が期待できます。
ドライクリーニングが抱えるデメリット
ドライクリーニングは、油脂性の汚れを落とすことには優れている一方で、以下のようなデメリットを抱えています。
- 水溶性の汚れが落ちにくい
- 黒ずみが残る可能性がある
- 有機溶剤のにおいが残ったり肌トラブルを起こす可能性がある
上記デメリットから伺えるように、ドライクリーニングを行う際には、信頼できるクリーニング店を選び、溶剤の管理がしっかりされているかを確認しましょう。
ここからは、上記デメリットについて解説します。
水溶性の汚れが落ちにくい
ドライクリーニングは、油脂性の汚れには強い一方で、水溶性の汚れには効果がほとんどありません。
汗や手あか、果汁、アルコールなどの汚れは水に溶けやすいため、ドライクリーニングでは十分に落とせないことが多いです。
このため、水溶性の汚れを取り除くには、ドライクリーニングではなく水洗いクリーニングを選ぶ必要があります。
特に汗じみや黄ばみが気になる場合は、水洗いによるクリーニングを施しましょう。
黒ずみが残る可能性がある
ドライクリーニングでは、石油系の有機溶剤を使用して洗浄しますが、この溶剤は一度使うと簡単には捨てられません。
そのため、クリーニング店では溶剤をフィルターでろ過し、再利用することが一般的です。
しかし、フィルターでのろ過が不十分だと、汚れた溶剤が衣類に付着し、黒ずみが残る可能性があります。
特に、溶剤が汚れていると、ドライクリーニング後の衣類に独特のにおいが残るケースがあります。
このようなリスクを避けるためにも、仕上がりの良し悪しから信頼できるクリーニング店を選びましょう。
有機溶剤のにおいが残ったり肌トラブルを起こす可能性がある
ドライクリーニングに使用される有機溶剤は、引火性であると同時に、化学的な刺激が強いため、衣類に残った溶剤のにおいで気分が悪くなったり、肌トラブルを引き起こす可能性があります。
特に敏感肌の方やアレルギー体質の方は、ドライクリーニング後に衣類を着用する際に注意が必要です。
もしも、ドライクリーニングを施した後に付着した溶剤のにおいが気になる場合は、風通しのいい日陰におくのが有効的です。
この時、衣類との間隔をあけておくと、風通しがよくなり、衣類へのにおい移りの予防にもつながります。
半日ほど陰干しすることで、においが軽減されるでしょう。
水洗いクリーニングが抱えるデメリット
水洗いクリーニングには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。
- 脂溶性の汚れが落ちにくい
- シワや型崩れが起きやすい
- 生地が傷みやすい
これらのリスクを避けるためには、高い技術を持つ信頼できるクリーニング店に依頼することが重要です。
適切なメンテナンスを受けることで、水洗いクリーニングのデメリットを最小限に抑えつつ、メリットを享受できます。
ここからは、上記3つのデメリットについて解説します。
脂溶性の汚れが落ちにくい
水洗いクリーニングは、水溶性の汚れには非常に効果的ですが、脂溶性の汚れにはあまり効果がありません。
脂溶性の汚れ、例えば油や化粧品の汚れは、ドライクリーニングで落とせる汚れです。
脂溶性の汚れは、水洗いクリーニングでもある程度は落とせますが、完全に除去するのは難しい場合が多いです。
そのため、脂溶性の汚れが気になる衣類については、ドライクリーニングを選ぶ方が望ましいでしょう。
シワや型崩れが起きやすい
水洗いクリーニングでは、衣類が洗濯機で洗われることが多いため、シワや型崩れが発生しやすいというデメリットがあります。
特に、ウールやリネンなどのデリケートな素材は、水洗いによって本来の形が崩れてしまう可能性が高いです。
クリーニング店でもこの点には十分注意を払いますが、完全に防ぐことは難しいです。
大切な衣類や形状を保ちたい衣類については、クリーニング方法を慎重に選ぶ必要があります。
生地が傷みやすい
水洗いクリーニングでは、水を使用することで生地が傷みやすくなる可能性があります。
特に、ウールやレーヨンなど水に弱い素材は、水洗いによって縮んだり、色落ちしたりするリスクが高まります。
また、水洗いを繰り返すことで、生地の風合いが変わりやすくなることもデメリットです。
このため、水洗いクリーニングを行う際には、衣類の素材や状態をしっかり確認し、高い技術を持つクリーニング店に依頼することが重要です。
特にデリケートな衣類に関しては、洗濯表示に従って丁寧に取り扱う必要があります。
困った時はクリーニング業者に相談しよう
ドライクリーニングをするべきか、水洗いをするべきか迷った時は専門家に聞いてみましょう。
専門家といってもクリーニング店に問い合わせればOKです。
洗いたい衣類の種類や状態を伝えれば、最適な洗い方を教えてもらえます。
どちらでもいい場合は、基本的に水洗いのクリーニングがオススメ。
無料で染み抜きをしてくれる業者であれば、水洗いでは落ちにくい油汚れもキッチリ綺麗にしてくれます。
ドライクリーニングをしないほうがいいときもある
ドライクリーニングでは、同じ溶剤を使いまわしているケースもあるため、白いセーターをクリーニングに出したら薄汚れてしまった…などというケースも。
高級クリーニング店ならまだしも、普通のチェーン店のクリーニングを利用するときは十分注意しましょう。
もちろん、ドライクリーニングをしたほうがよいこともあります。
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まとめ~水洗いならクリーニング~
クリーニングの強みは、家庭では出来ない様々な仕上げ方が出来ることです。
撥水加工やデオドラント加工、抗菌加工など多種多様なオプション加工が用意されています。
水洗いをオプションとしているクリーニング業者も多いですから、うまく組み合わせて注文すると良いでしょう。
時間が取れない、お店まで行くのが面倒な方は宅配クリーニングがオススメですよ。