「セーターを自宅で洗濯したら縮んだ」
「洗濯前よりも少し色が落ちてしまった」
寒い時期になると、セーターを着る方が多くなります。
しかし「セーター」は衣類の中でも特にデリケートなものです。
そのため、汚れを落とすのも一苦労なところ。
これからも長く着たい衣服だからこそ、丁寧に洗濯をしたいものですね。
【今回の記事でわかること】
- セーターの正しい洗い方
- セーターの洗濯で気を付けること
- セーターの洗濯頻度
- セーターの洗濯でしてはならない洗い方
- 間違った洗濯をしてしまったときの対処方法
そこで今回は、デリケートな素材で仕立てられた「セーター」の正しい洗濯のやり方をご紹介します。
正しい洗濯のやり方を知れば、同じ素材のものを洗濯するときに使うことができます。
セーターの洗濯に取り掛かる前の下準備

セーターの洗濯を行っていく前の下準備として、必ず行っておくべき3つのポイントを古城介していきます。
これから行う下準備をするかしないかで、洗濯後の仕上がりが大きく変わってきます。
洗濯表示のチェックは必ず行う
セーターの洗濯に取り掛かる前に、必ず「洗濯表示」の確認を行いましょう。
特にセーターのようなデリケートな素材で仕立てられた衣類では、洗濯の方法を1つ間違えるだけで色落ちやごわつきが出てくるなど大変な事態を招く恐れがあります。
【セーターに見られるタグの種類で確認すべき表示】
- 洗濯機で洗えるもの
- 手洗いできるもの
- 水洗いができないもの
- 液温の設定がされているもの
かどうかを確認してから選択に取り掛かるようにしましょう。
また、「ウール」や「カシミヤ」など高級素材で仕立てられたセーターの洗濯を自分でできない場合は、クリーニングに出すのが無難でしょう。
セーターの洗濯で用意するもの
次に洗濯方法によって用意するものです。
セーターの洗濯方法は主に「洗濯機」か「手洗い」のいずれかで行います。
【洗濯機を利用する場合に用意するもの】
- おしゃれ用の中性洗剤
- 柔軟仕上げ剤
- 洗濯ネット
【手洗いで洗濯をする場合に用意するもの】
- おしゃれ用洗剤
- 柔軟仕上げ剤
- 洗濯おけor洗濯ボウル
- ゴム手袋(手荒れ防止)
をそれぞれで用意しましょう。
また洗濯をし終えた後の「干しの工程」で用意するものは以下のものです。
【干しの工程で用意するもの】
- 厚みのあるハンガー
- 平干しネット
- 竿
など型崩れや伸び、ヨレ防止になるアイテムを使って干しましょう。
洗濯機洗い・手洗い共通で済ませておく
それぞれの洗濯方法で用いるアイテムを揃えたら、いよいよ洗濯に取り掛かりますが、その前にやっておくことが2点あります。
それがシミや汚れを事前に浮かび上がらせる「予洗い」と「色落ちの有無」の確認です。
1.【予洗い】
「つまみ洗い」とも呼ばれているこの工程では、目立つシミや汚れに中性洗剤をつけて汚れを浮かび上がらせます。
予洗いは基本的に、洗剤を付けた汚れ部分をぬるま湯で軽くほぐすようにして汚れを押し出していきます。
2.【色落ちの有無】
セーターをはじめニットなどの衣類では、「色落ち」をするものがあります。
「色落ち」の原因は、セーターに使用されている染料が水に溶けだすことで起こります。
「色落ちの有無」の確かめ方は中性洗剤をセーターの一部に垂らして、白い布やタオルなどをそこに当てることで判別することができます。
色落ちするならば、セーターのみを個別で洗濯するか同系色の衣類と一緒にしてまとめ洗いましょう。
セーターの洗い方

下準備が済んだらいよいよ「セーターの洗濯方法」についてご紹介していきます。
セーターの洗濯方法(手洗い編)
1.下準備
まずは「洗濯おけ」または「洗濯ボウル」に洗濯表示されている温度の水をはり、中性洗剤を入れて「洗濯液」を作っていきます。
この時使用する水の温度が高すぎると、セーターの縮みや色落ちの原因を作ることになりますのでご注意ください。
また、中性洗剤の量は「使用量」を目安に入れましょう。
2.セーターを洗濯液に浸す
次に作った洗濯液に、セーターを「畳んだ状態」で浸していきます。
ポイントは「袖」「襟元」など特に汚れが目立つ箇所を表にして畳むことです。
3.そのまま優しく押し洗い
洗濯液にセーターを浸したら「沈める」「浮かす」を交互に繰り返しながら、押し洗いしていきます。
この時、あまり力を入れすぎたり、汚れ箇所を強く揉んだりしてはなりません。
4.汚れが出てきたら一度洗濯液を捨てきれいな水を入れる
汚れが浮き上がってきたタイミングで、一度洗濯液を捨て、きれいな水ですすぎましょう。
この時手間を省くということで直接水をセーターにかけてはなりません。きれいな水を張ったら再度押し洗いをしてすすぎます。
5.すすぎ終えたら一度洗濯の脱水をする
きれいな水ですすぎ終えたら、畳んだ状態で洗濯ネットに入れ、洗濯機で軽く脱水をしましょう。
目安としては約1分程度稼働させて、時間になったら洗濯機を止め、中からセーターを取り出しましょう。
6.2度目のすすぎを行って、柔軟剤を入れる
軽く脱水をした後、もう一度きれいな水ですすぎを行います。その後「柔軟剤」を入れて再度押し洗いをしていきます。
7.3度目のすすぎをして脱水
2~30回程度の押し洗いをした後、3度目のすすぎを行います。
すすぎを終えたら水を抜いてセーターを押し絞って水を切っていきます。
この時、セーターを雑巾絞りのようにして絞ってはなりません。シワやヨレを作る原因となります。
推し絞り切ったらバスタオルで余分な水分を吸い取ってまた洗濯機で軽く脱水を行います。
これでセーターの手洗いは完了です。
セーターの洗濯方法(洗濯機編)
1.下準備
「襟元」や「袖」など汚れが目立つ部分を外側にして畳み、洗濯ネットにその状態をキープしたまま入れます。
ポイントは、汚れが目立つ箇所は、極力表に出るようにして畳むことです。
また、ボタンがあるセーターを選択する際はボタンを留めてから畳むようにしましょう。
2.洗濯機の洗濯コース
「洗濯機」の洗濯コースには、さまざまなコースがあります。
「セーター」を洗濯する際は、「手洗いコース」または「ドライコース」、もしくはその両コースを併せた「手洗い・ドライコース」のいずれかを選びましょう。
3.洗剤を投入
セーターを洗濯機に入れたら、中性洗剤と柔軟剤を投入しましょう。
ここまで終えたら後は洗濯が終わるまで、しばらく待ちましょう。
洗濯機を使用するとき、機種によっては「乾燥機能」を持ったものもあります。しかし、セーターの素材、特に「ウール」や「化学繊維」は「高温」を苦手とします。
もし、コースの工程に入っている場合は、「スタート」を押す前にコース工程から外しておきましょう。
洗濯を終えたら干す
洗濯を終えたら、セーターを干していきます。
この時以下の3点をすると、セーターの「型崩れ」や「乾燥後のシワ」の防止になります。
【干す前にすべきポイント3点】
- 脱水後はすぐに取り出すこと
- 軽くたたいてシワを伸ばして形を整える
- 日向干しじゃなく陰干しすることで黄ばみや色あせを防ぐ
上記3点を干す前に行ったら、いよいよ洗濯し立てのセーターを干していきます。
干す方法は主に以下の3パターンとなります。
【ハンガー干し】
この干し方で使用する「ハンガー」は、厚みのあるものを使用しましょう
特に薄手のセーターを干すときはこの方法がベストです。
【竿干し】
竿干しでは、型崩れや伸びを防止するために袖も竿にかけて陰干しをしましょう。
厚手のセーターに適した方法です。
【平干し】
平干しは「平干しネット」もしくは「ピンチハンガー」を用いて干します。
特に重みがあるものは自重で型崩れしやすいので、この干し方をするのが最適です。
仕上げ
セーターを干し終えたら、アイロンの「スチーム機能」を用いて仕上げに入ります。この時アイロンは浮かび上がらせてかけてあげることが大切です。
スチームをかけてあげることで、ふんわりとした肌触りのセーターに仕上がります。
またフラットな仕上がりにしたい薄手のセーターにアイロンをかける場合は、アイロンとの間に「当て布」を敷いて軽くかけてあげましょう。
セーターの洗濯で気を付けること

色落ちする可能性
基本的に「セーター」や「ニット」などの衣類は、「色落ちするもの」と思っておくのがいいでしょう。
特にこれら衣類に使用されている「染料」の中には、水に溶けやすい性質をしたものもあります。
はじめて「セーター」を洗濯する際は、一度「色落ちするか」を確認するために、袖や目立たない箇所に使用する洗剤を垂らして、白い布やタオルを当てましょう。
色移りするようならば、個別で洗うか同系色のものとまとめて洗いましょう。
素材に合わせて洗濯方法を変えること
「セーターの洗濯=丈が縮む」だけと思われがちですが、素材によっては「毛玉」ができたり、逆に「丈が伸びきってしまう」ことがあります。
【セーターで使用されている素材】
- アクリル:比較的丈夫な素材。洗濯機/手洗いの両取り
- コットン:肌触りがよく繊維が繊細なため手洗い推奨
- アンゴラ:繊維が細かくふわっとした特徴しているため手洗い推奨
- アルパカ: 保湿に優れているがコットン同様繊維が繊細なため手洗い推奨
- カシミヤ:水に濡れると縮む性質を持っているためドライクリーニングで洗濯する
- ウール:カシミヤ同様濡れると縮むためドライクリーニングで洗濯する
の6種類からなります。
それぞれの素材が「手洗い」「洗濯機」に適しているとは限りません。洗い方によっては繊維そのものをダメにしてしまう恐れがありますので、それぞれの素材に適した洗い方で洗濯するのが最適といえます。
セーター洗濯の頻度
セーターの洗濯頻度は他の衣類とは異なり、頻繁に洗濯をする必要がありません。
頻繁に洗濯をすることで、シワや伸び、型崩れを起こす原因になったり、衣類の繊維そのものをダメにしたりする恐れがあるためです。
またセーターは衣類の中でも「汚れにくいもの」です。そのため、洗濯をするならオンシーズン中に1,2回程度で構いません。
洗濯をしないときはブラッシングや陰干しをするだけで十分です。
間違ったセーターの洗濯
セーターを洗濯する際、素材によって洗濯のやり方が大きく変わってきます。
ここでは「セーター」の洗濯をするとき、絶対にしてはならない洗濯方法です。
洗濯機の洗濯コース「標準」や「お任せコース」でしてしまうケース
「洗濯」をするのだから、あれもこれも「標準コース」で十分という考えは、「セーター」などデリケートな素材で仕立て上げられた衣類を洗濯するときは捨てましょう。
「セーター」の中には「標準コース」も大丈夫なものがありますが、洗濯後、色あせや型崩れを起こしやすくなりますのでご注意ください。
特に「ウール」や「カシミヤ」で仕立てられたものは、縮みやすいので必ず「ドライコース」または直近のクリーニング店に頼むのがいいでしょう。
洗剤の種類
洗濯洗剤には「塩素系/酸素系の洗剤」や「中性洗剤」などがあります。
適切な洗剤を用いないと、かえって色あせや型崩れ、毛玉を作る原因となります。
セーターを選択する際は、「中性のおしゃれ着用洗剤」と「柔軟剤」を基本として用いるといいでしょう。
水温
手洗いをする場合は必ず、洗濯表示されている温度以内の水を用いるようにしましょう。
これも色落ちや型崩れなどの原因を引き起こします。
また手洗いをするときは汚れ箇所を強く揉んだり、揉んだりしてはなりません。それだけで繊維が傷み、伸びを作ってしまいます。
ハンガー干し
セーターを干す際の方法として「ハンガー干し」することがあります。
しかし、この方法は「薄手」のセーターに限ります。
厚手や重みのあるセーターでハンガー干しをした場合、自重で伸びたりします。
セーターを干す際は平干しをすると、型崩れや伸びをできます。
洗濯ネットに入れない
洗濯機でセーターを洗濯する際は、型崩れ防止のため必ず洗濯ネットに入れてから洗うようにしましょう。
特に「パイル」を用いた衣類は、毛羽抜けや毛並みの乱れを引き起こします。
間違った洗い方をしてしまった場合の対処方法

はじめてセーターを洗濯する人ほど「間違った洗濯方法」でセーターを洗濯して、ダメにしてしまうことがあります。
もう着れない肩を落とすことはありません。
これから紹介する方法でダメになってしまったセーターを、元の状態に戻すことができます。
アイロンのスチームを使用する
セーターが「縮んでしまった」場合は、アイロンのスチーム機能を用いれば元に戻すことができます。
やり方は、洗濯後に行うスチーム掛けと、ほぼ同じやり方で問題はありません。
直接セーターにアイロンを当てるのではなく、アイロンを少し浮かせた状態でスチームを吹かせていきます。
スチームを当て終えたら、縮んだ箇所を上下左右に優しく伸ばしてあげましょう。
トリートメントを使う
セーターが縮んでしまった状態は、髪がごわついている状態とほぼ同じです。
なので、洗濯おけに水を張って、その中に普段使用している「トリートメント」をワンプッシュで出る量だけ水の中に入れて洗濯液を作ります。
その洗濯液にセーターを浸して、すぐに取り出します。その後はすぐに押し絞り水気を切って平干しをしましょう。
これでも縮みが直らない場合は、アイロンのスチームと合わせて元の状態に戻してみましょう。
よくある質問
セーターの洗濯に関するよくある質問をまとめました。
- セーターは洗濯機で洗える?
- セーターの洗濯で気を付けることは?
- セーターが縮んでしまったらどうすればいい?
セーターは洗濯機で洗える?
A.洗えるものも洗えないものもあります。
洗濯表示を確認しましょう。
洗濯機で洗えるもの、手洗いでなら洗えるもの、水洗い不可のもの、液温の設定がされていものなど、洗濯表示をみるとさまざまさ洗濯方法の指定があります。
またブランドものやお気に入りのものは無理に自宅で洗濯せず、クリーニングに依頼するといいでしょう。
セーターの洗濯で気を付けることは?
A.素材に合わせて洗濯方法を変えることです。
セーターは洗濯に失敗すると縮んでしまうだけでなく、毛玉になったり伸びきってしまったりすることもあります。
洗濯表示を確認して、それぞれの素材に適した洗い方で洗濯するようにしましょう。
セーターが縮んでしまったらどうすればいい?
A.アイロンのスチーム機能を使います。
スチームをあてる際は直接セーターにアイロンをかけるのではなく、少し浮かせた状態にしておきましょう。
スチームをあて終わったら、縮んだ箇所を上下左右に優しく伸ばします。
こうすれば縮んでしまったセーターも元通りにできますよ。
まとめ~セーターの洗濯は、素材によって変えること~

以上がセーターの正しい洗濯方法のご紹介でした。
今回の内容をまとめると以下の通りになります。
- 洗濯前にセーターの「洗濯表示」は必ず確認すること
- 素材に応じて洗濯方法を変えること
- セーターは「手洗い」か「洗濯機」の「手洗い」「ドライコース」のいずれかで洗うこと
- 干すときは「平干し」がベスト
- 間違った洗濯方法をしてしまっても、元に戻す方法はある
セーターは、衣類の中でも特にデリケートな素材で仕立てられています。
洗い方1つ間違えただけで、型崩れや色落ち、色あせ、シワを作りやすくしてしまい、お気に入りの一着をダメにしてしまう恐れがあります。
そのような事態を避けるためにも、「洗濯表示」の確認は絶対行いましょう。
もし、お気に入りの一着をダメにしたくないという方は、クリーニング店に依頼するのがいいでしょう。